2009/08/13

夏暮れ

盆休み、巷は賑わっていそうです。
ここのところこの期間はおとなしくしているか
人がいない海に行ってたものですが、
せっかく新しい毛鉤も巻いたもので、川に行くことにします。

仕事の残りも気になっていたので、
a. 近場で午前のみ釣り。午後から仕事
b. 気になっていた釣り場探索
の二つから選ぶのに悩みます。
大方の予想通りbを選ぶのでした。

息子の面倒を見てからぞろぞろ出発。
そしてまた、忘れ物。今度は地図です。
戻るのは面倒でしたが、探索の旅にはこれがないと困ります。
やっと出発。

前回、型のいい岩魚がたくさん釣れた渓を目指すことにします。
その時の脱渓地点から上に、行ける所まで行ってみることにしました。

入渓してすぐに尺を超える岩魚がスローモーションのように毛鉤をくわえます。
今朝か前日につけられた足跡がありましたが、魚はまだいるようです。
ただ、前と違うのは、魚が薄いこと。
うるさいくらい飛びついてきた小さな魚が全くいません。
抜かれたのかな、と思いましたが、たまに出てくるのは尺岩魚。
釣られたのであれば、逆に小さいやつが残っているはずです。
どうにも反応が少ないまま遡行していくと、函が続くゴルジュ帯に来てしまいました。
3つ目の函は結構大きく、なんとか右から巻いて行けそうですが、
ひとりなので無理をしないことにしました。

岩魚の楽園を夢見てきましたが、なんとも不可解な反応の無さに
ちょっとがっかりして戻ります。
魚がいるのにだんまりを決め込んでいる雰囲気も少しあり。
途中から雲が垂れこめて、今にも雨が降りそうな重い空気に覆われて
きました。こんな時は反応がよくないものです。
今度はロープを持って再挑戦かな。

それからは、目星をつけておいた初めての川を見に行きます。
ほとんど使われず、草ボウボウの林道をひた走り川へ。
小沢ですが、いかにも小さな岩魚がたくさんいそうです。

P1020827.jpg

が、しばらく上っても全く反応ナシ。
それに暗くて荒れてて、このあたりの山にはダークな何かが
漂っている気配を感じます。
ブルブル。

そろそろ日も落ちてきたので、明るい下流に戻ることに。
ここは、中学生くらいの時、何度も父親に連れてきてもらいました。
小さなヤマメを釣っているうちに、巨大な虹鱒が飛び出してきて、
3番ロッドでは為すすべなく引きずりまわされた揚句、
倒木にぐるぐる巻きにされたことがあったなあ。

川へ下りていく道を歩いているうちに、
昔そこで父親とソーセージを焼いて食べたことを
思い出しました。
ちょうどその道を右に曲がったあたりだったはずです。
ありえないことですが、その角の向こうには、今も少年の私がいて、
焚火を起こす父親の横で、ソーセージに刺す柳の枝をナイフでうれしそうに削って
るんじゃないか。
何も変わっていない景色を見ていると、突然そんな錯覚にとらわれました。

川では、やっぱりあの頃と変わらず、小さな山女魚がたくさん飛びついてきます。
たまに出てくる二年子は、もううっすらと黒ずんでいて、夏が終わったんだなぁと
実感しました。

ここのところ、妙に子供の頃の釣りを思い出します。
多分、去年息子が生まれたことと関係があるのでしょう。
夏の終わりの川は、郷愁をかきたてる何かをもっています。

P10208251.jpg

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