2009/08/31

浮世と書いて憂き世と読む

翌朝は、風もなく絶好の釣り日和。
一日目で十分と思えたはずなのに、
海辺に立つと鮮度のいいモチベーションがふつふつ湧いてきます。

なかなか口を使わない、遡上前の魚ですが、
そこで口を使わせることが楽しくてたまりません。
早い時間は重く大きな毛鉤でのパターンが当たります。
で、油断していると谷間にハマる。
潮が止まったことに気づいて、繊細系にシフトして復活。
フレッシュのジェットランにも遭遇しました。
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が、またも谷間。
刻一刻と変化するパターンを探り続けると、いくらでも
おかわりできそうです。

そんな時間はあっという間に過ぎ去り、
熊子熊太郎にサヨナラを言う時間がやってきました。
何もかもが輝いていた世界を離れて
浮世に戻ってくると、なんだか目の前に灰色のフィルターが
かかってるみたい。

帰りに見つけた気になる警告。

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人にも熊にも不幸な事態を起こさないためにも
守ろう「常識」。

2009/08/30

総員戦闘配置につけ

一昨年は祖母の訃報で途中退場。
昨年は息子が生れて願い叶わず。
と、涙を飲み続けた知床行。
今年こそは、と仕事を抜け出し荷物を背負い、
混雑した地下鉄に揺られ浮世を逃げ出す。

と思ったら現地は暴風雨。
深夜の車内で一同意気消沈しつつ、
ブーリラビーリラうたた寝なんぞして
とりあえず胴長でも履くかい、なんて
つぶやいていると
急ぎ足で隊長戻る。
「総員、戦闘配置につけ!」
との号令一下
皆々、マジカヨと荷物をまとめ出動。
百戦錬磨のキャプテンジョージアによれば、
「コンナクライ、ダイジョウブダ」
との力強い御言葉。
なんと、港の岸壁を回ればどこまでも穏やかな海面が
広がっているではありませんか。



標高の低い天上界に着いて、少し釣って昼寝。
これ以上望むことはありません。

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夕暮れ時、それまでは静かだった海が波立ち、
突然、凄まじい数の樺太鱒が遡上を始めました。
小さな川は魚が上げる飛沫で沸き立ちます。
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釣ったり休んだりを繰り返しながら、この日が暮れる。
魚と水に道具立てが今ひとつフィットしていない感がつきまといましたが
この日の終わりにしっくりする何かがやっと転がり込んできました。

2009/08/24

なにはともあれ市内の川

午後から家族サービスをば、と思い市内の川に早朝出勤。
正直、遠出して往復何時間もかけるより、
釣りする時間が実質多くとれるご近所探検にすっかりハマってしまいました。

前回、楽しく釣れた区間に入ろうかと思いましたが、
せっかくなので未知の流れを探ることにし、
この間釣った場所から釣り下ります。

しばらくは反応無し。
6ftの短竿は、開けた流れではどうも扱いにくい。
距離は十分に投げられても、
毛鉤をうまく流せずにフラストレーションがたまります。
ピンポイントにどうにか打ち込んで、ぼんやり見るような見ないような
そんな感じで毛鉤を流していると、突然ポカンと吸い込まれました。
慌てて大アワセでティペット切れ。
いけません。

道具って大事だな、と当り前のことを考え、
ほとんど止まった川水に浮かべた毛鉤を眺めていると
またも突然ポカンと吸い込まれる。
今日は、集中が切れるタイミングで出てくるというのが罠みたい。
猛烈に遅れたのに、お約束のようにかかってくれる岩魚の大らかさが好きです。

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その後、突然の猛烈な雨に当たり、撤収。
ぐんぐん流れる雲の群れが秋の訪れを知らせています。
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濡れた上着を着替え、流れを変えてまた岩魚と遊ぶ。
足跡はチラホラと見られますが、そこそこ魚がいることに安心します。
明らかにリリースされた針の跡がある魚もかかりました。
みんな大人になれば、たとえ大都市でもそこに暮らす魚と遊べるって
ことなんでしょう。
物事は悪くなるばかりじゃあないと考えると
明日に向かう気力がちっとは湧いてきます。

で、午後は20分だけ昼寝してから家族サービスしました。

2009/08/20

掘り出し物

新車はひととおり聞いたので、中古車をちょっとまじめに見てます。
きらびやかに飾られた新車のショールームと違って、それまでの来歴が
オーラのようにゆらめき立つ中古車の方が私は好きかもしれません。
胡散臭さいものに昔から惹かれるのは性癖です。

で、中古車を見た帰り道、中古釣具屋を見つけました。
中古の釣り具、竿やリールは程度の割に値段が高くて、
ここのところ全く見てませんでした。
なんとなく気が向いて店内に。

薄暗くてコチャコチャした店内には、普段釣りをしそうもない客が数人。
竿もリールも、使いようが思いつかないものばかり。
で、小物を見ようとさらに奥に行くと、ハネがちらほら。
汚いパッケージの中身は、十分使えそうなハネモノが並んでました。
インド並みの価格にホクホクと大人買いでごっそり購入。
ちょうどサドルが欲しかったんです。

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こんなのもありました。あんまり興味はないんですが。


普段は見かけないようなカラーがあったので、妙なフライを巻いてます。

2009/08/16

すっかりホーム

盆休み。どこに行っても人だらけでしょう。
ヨメと息子は実家に里帰りで、ほんのしばし自由人です。
肩が軽いな。
夕方から軽く寝たせいか、全然眠くならずに
竿や毛鉤を巻いていると外が明るく。
雷様と近所川で迷いましたが、お手軽な近所川へ。
始めは色物だった市内の川も、今ではすっかりホームです。

今日も新しい場所の探索に。
サッパリ魚の気配を見ないまま進んでいくと、堰堤上のたまりに出くわします。
広くて浅くて、とても魚がいると思えないので投げ練習。
フルラインを投げて、リールでラインを巻き取っていると、
はるか彼方で虹鱒がポンポンと跳ねています。
?と思いましたが、私の竿にかかっちゃったみたいです。
どうやら、回収途中の毛鉤に喰いついた模様。
小さなリールなので、巻いても巻いても寄って来ません。
そのうち、目の前の岩にラインを巻かれてティペットを切られてしまいました。
まぁ、虹鱒がいることはわかりました。

堰堤の上を釣り上ると、岩魚がそこかしこから出てきます。
思った以上に、この街を流れる川には岩魚が住み着いてるんですね。
生まれた時から住んでいたのに全く知らなかったとは是如何に。
やがて、もうひとつの堰堤に出ました。
落ち込みは深くて、いいのが潜んでいそう。
巻き返しに毛鉤を落とすと背中を出して飛び出してきました。
岩魚か、と一瞬思いましたが一気に深みに向かって走り、ラインを引き出します。
30㎝後半の丸々として虹でした。



そこから上は、ダイナミックな流れで遡行していくと時間を忘れます。
岩魚の型はまあまあで9寸くらい。
なぜか大場所では出ません。
ドライでは厳しいのか、誰かに攻められたか。
茶色い岩魚と、どこから来たのか、鋼色のアメマスが混じります。

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早朝から釣って、気がつけばもう昼。
道路に上がろうとしたところで、先行者の腹裂きの跡を見つけます。
かなりムッとしましたが、今まで何十年もこうした仕打ちに耐えて
生き残ってきた魚たちなんでしょう。
それにしても、現場見つけたら蜂の巣ぶつけちゃる。

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2009/08/13

夏暮れ

盆休み、巷は賑わっていそうです。
ここのところこの期間はおとなしくしているか
人がいない海に行ってたものですが、
せっかく新しい毛鉤も巻いたもので、川に行くことにします。

仕事の残りも気になっていたので、
a. 近場で午前のみ釣り。午後から仕事
b. 気になっていた釣り場探索
の二つから選ぶのに悩みます。
大方の予想通りbを選ぶのでした。

息子の面倒を見てからぞろぞろ出発。
そしてまた、忘れ物。今度は地図です。
戻るのは面倒でしたが、探索の旅にはこれがないと困ります。
やっと出発。

前回、型のいい岩魚がたくさん釣れた渓を目指すことにします。
その時の脱渓地点から上に、行ける所まで行ってみることにしました。

入渓してすぐに尺を超える岩魚がスローモーションのように毛鉤をくわえます。
今朝か前日につけられた足跡がありましたが、魚はまだいるようです。
ただ、前と違うのは、魚が薄いこと。
うるさいくらい飛びついてきた小さな魚が全くいません。
抜かれたのかな、と思いましたが、たまに出てくるのは尺岩魚。
釣られたのであれば、逆に小さいやつが残っているはずです。
どうにも反応が少ないまま遡行していくと、函が続くゴルジュ帯に来てしまいました。
3つ目の函は結構大きく、なんとか右から巻いて行けそうですが、
ひとりなので無理をしないことにしました。

岩魚の楽園を夢見てきましたが、なんとも不可解な反応の無さに
ちょっとがっかりして戻ります。
魚がいるのにだんまりを決め込んでいる雰囲気も少しあり。
途中から雲が垂れこめて、今にも雨が降りそうな重い空気に覆われて
きました。こんな時は反応がよくないものです。
今度はロープを持って再挑戦かな。

それからは、目星をつけておいた初めての川を見に行きます。
ほとんど使われず、草ボウボウの林道をひた走り川へ。
小沢ですが、いかにも小さな岩魚がたくさんいそうです。

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が、しばらく上っても全く反応ナシ。
それに暗くて荒れてて、このあたりの山にはダークな何かが
漂っている気配を感じます。
ブルブル。

そろそろ日も落ちてきたので、明るい下流に戻ることに。
ここは、中学生くらいの時、何度も父親に連れてきてもらいました。
小さなヤマメを釣っているうちに、巨大な虹鱒が飛び出してきて、
3番ロッドでは為すすべなく引きずりまわされた揚句、
倒木にぐるぐる巻きにされたことがあったなあ。

川へ下りていく道を歩いているうちに、
昔そこで父親とソーセージを焼いて食べたことを
思い出しました。
ちょうどその道を右に曲がったあたりだったはずです。
ありえないことですが、その角の向こうには、今も少年の私がいて、
焚火を起こす父親の横で、ソーセージに刺す柳の枝をナイフでうれしそうに削って
るんじゃないか。
何も変わっていない景色を見ていると、突然そんな錯覚にとらわれました。

川では、やっぱりあの頃と変わらず、小さな山女魚がたくさん飛びついてきます。
たまに出てくる二年子は、もううっすらと黒ずんでいて、夏が終わったんだなぁと
実感しました。

ここのところ、妙に子供の頃の釣りを思い出します。
多分、去年息子が生まれたことと関係があるのでしょう。
夏の終わりの川は、郷愁をかきたてる何かをもっています。

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2009/08/09

しつこく市内の川

今日は、午後から友人宅を訪ねる予定なので、
おとなしくしてようかと思いました。
ところがなぜか夜中に目が覚める。
眠れないので、白々としてきたところで毛鉤を2、3、巻いて近所へ。
今から行けば、余裕で午前中に帰って来られるはずです。

家から10分ほど走ったところで、リールを忘れたことに気付きます。
近場なので、大きなタイムロス。
遠出だったら、早めに気がついて安堵するところですが
妙に時間がもったいない。

今回行ってみたのは、この街の「母なる川」です。
子供の頃、放課後チャリに竿を結わえて毎日のように釣りをしていたのは
この川の下流。
上流は、昔からずっと気になっていましたが、なかなかきっかけがなく、
この日までずっと放置されたままでした。
先日の近隣河川岩魚釣りが思いのほか楽しめたおかげで、ここも案外楽しめるんじゃあ、と
プラス志向に転換した私がホクホクと出向いて行くという構図。

着いてみると、思っていたより水量が少なく、難しそうな雰囲気。
谷は、うっすら靄が立ち込めて、森閑としています。

すぐに小さな岩魚が釣れ、そこそこの型をバラしてからは全く反応が
無くなりました。
「これは、都市近郊河川の宿命として、スレ切っているに違いない。」
と冷静に分析した私は、6Xのティペットに、16番のアントに付け替えて
挑みます。
極太ティペットと巨大な毛鉤に慣れた目で見ると
髪の毛の先のゴミの如し。
そして、ポイントは、しょっぱい小場所狙い。
いきなり出ました。
尺はありませんが、いい岩魚です。

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自分の読みが正しかったことを噛み締め、
今日の釣りはもう満足だとまで思ったのですが
なぜかそれから後が続きませんでした。

帰途、遊びで巨大なホッパーに付け替え、短くて太いティペットで
下りながらポイントを叩いてみると、これがなんと、ポコポコ出るではありませんか。
ティペットの太さも、小さな毛鉤も、実は何にも関係なかったようです。
自分に酔ってるうちに帰れば良かった。
デカフライ逆引き反応は、きっと蝦夷岩魚のDNAに組み込まれて
いるんでしょう。

倒木の陰に大きなフライを落とすと25㎝くらいの魚が出ました。
グネグネと暴れる独特のファイトと、ずん胴の身体つき。
もしや、と思って寄せてくると、やはりオショロコマでした。
この川の最上流には生息していることを聞いてましたが、
このあたりにもいるとは思いもよりませんでした。
こちらの河川で釣れるオショロコマは、道東の魚に比べると朱点が薄く
はんなりとした色合いに感じられます。

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この時間になると、すっかり日も昇り、暑くなりそうです。
今まで雌伏を決め込んでいた蝉たちは、一斉に蜂起し
朝の静けさはどこかに行ってしまいました。

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それからも、大きな毛鉤に元気な岩魚が飛び出し、
午前中だけで十分お腹いっぱい。
魚は、先日の川ほど多くはないようですが、真面目にやれば
そこそこの型も狙えそうです。

残念だったのは、ゴミ。
大きな淵の岩の上には、吸殻やビニール袋が。
どこかのオヤジがここで粘ったのでしょう。
目につくゴミは拾い集めてきましたが、
平気でここにゴミを捨てるバカなら釣れた魚を
間違いなく持って帰るはずです。
そんなオヤジの絶滅を願いつつ暑い街に戻ります。

2009/08/07

釣れたらいいな川

市内の川で岩魚と遊んでいると、自然ともう少し大きなのが
釣りたくなります。
地図を眺めながら、あの川、この川と想像をめぐらせながら
考えます。

そこそこ大きな川で、林道が無くて、それでいて人にも熊にも
人気のない川はないか?
そんな都合のいい川は、なかなか見つかりませんが、
やっと条件に合った川を見つけました。
その昔、ヤマメを釣りに何度も訪れた川です。
上流にも2度ほど入ってみましたが、その時は何にも釣れませんでした。
下流でもヤマメに混じって岩魚が釣れたので、いることは間違いないはず
なんです。
魚は全く釣れませんでしたが、昔歩いたその流れは、
輝くように澄んだ水が流れる素晴らしい渓相で、
「ここで魚が釣れたらどれだけ楽しいだろう…。」
と思わずにはいられませんでした。

今度こそは、魚と会うまで何時間でも
遡行を続けるぞ、と覚悟を決めて出発。

ちょっと遅すぎる気もしないではありませんが、
ついに真夏の日差しがやってきました。
昔来た時も、やっぱり真夏だったはず。

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日差しが差し込む開けた渓で、ベアーの心配が無いのが有り難い。
釣りに集中できます。
本当は、早朝川に入って、昼までに源流域を目指す計画でしたが、
息子が機嫌悪かったり、しまいにはウンコしたりで
結局保育園に送りだすまで面倒を見る。
そんなわけで川に着いたのは、もう昼過ぎでした。
入ってしばらくは、魚の姿は無し。
やっぱり何もいないのか、と疑念が頭をもたげたところで、
やっと魚が飛び出しました。
いきなりの尺岩魚。
水量も多くてコンディションがいいせいか、よく引きます。
それからは、ポツポツと岩魚が顔を見せますが、
いい魚は大場所についているようです。
小場所は飛ばして、どんどん遡上。
この日一番のポイントで

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尺三寸。
あと1㎝足りなかった…。

それからまたしばらく上ると、急に尺を超えるサイズが
多くなりました。
どうしたのかな、と思うと行く手に大きな堰堤。
遡れずにたまっていたようです。
さらに上を目指したい気もしましたが、もう十分釣ったので、
ここで上がることにしました。

この川では、白い斑点のアメマス型と、黄色くて虫食い模様のいかにも岩魚といった魚の
両者が釣れました。ちなみに下流に堰堤があるので遡上はできません。

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今回入った区間は、堰堤と堰堤に挟まれたスポットのようです。
こういった場所は、一度釣り切られてしまうと回復まで時間がかかります。
昔訪れた時には、そんなタイミングだったのかもしれません。

次回こそは源流を目指そうと思っていますが、どうなることか。

2009/08/05

またまた市内の川

一度行くと、次が気になります。
あの上は、どうなってるんだろう?とか。
すぐに確かめに行けるところが近場のいいところ。
家から30分の川までノコノコと出かけます。

先日釣った流れからは、もう少し上に入ってみます。
盤底に大石。すでに源流の容。
日曜に入ったらしい足跡の他は見当たりませんが、
しっかり釣り人道がついているところを見ると、
それなりに常連がいるのでしょう。

入ってすぐにのプールでライズ。
木から落ちてきている虫を狙っているようです。
甲虫かな、と黒くて小さなフライを流しますが無視。
しかたなく上を目指します。

すぐに岩魚が釣れます。そして、無邪気な魚がポイントごとに
出てきます。
都市近郊というと、しょっぱいポイントしか魚がいないように思ってましたが
大場所からはいいサイズ、小場所からはそれなりのサイズと
あまりいじめられていないようです。
下の流れよりサイズもよくて、大きいのは九寸くらい。
元気がよくて、岩魚のくせによく引きます。

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この川としては一番のポイントと目される淵からは、
虹鱒も顔を出しました。
しかも、一か所から4匹。
姿を見ると、ひれも綺麗で、丸々と太ってる。
最近放流されたものではないようです。
ここ以外では一匹も釣れなかったので、世代交代してる様子もなし。
ちょっと謎です。

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開けている渓なので、あまりベアーの恐怖を感じることもなく、
夕暮れまでたくさんの岩魚と遊びました。

市内を流れるこの川に、これだけ魚が残っているのも、
「あの川は、魚が薄い。」
という噂のおかげかもしれません。
ただ、踏み跡だけはしっかりありましたから、
ここを訪れる釣り人は、この川の魚を大事にしてくれているのでしょう。
と、思いたい。

2009/08/03

川探検・2

翌日は、目覚めると雨。
昨晩からの降りは結構なものでした。
最奥を目指そうと思っていましたが、これではダメでしょう。

川をのぞきながら車を走らせますが、どこも50%増量中です。
これは無理か、とあきらめかけたところで昨日の里川だけが
何事もなかったかのように澄んだ水を流していました。
今度は、最下流を探索。
車の窓を開けた途端、数百匹の蚊柱に襲われました。
湿地帯を流れているこのあたりには、ボウフラの培養槽が無数に
あるようです。
あきらめて中流域へ。

上流域と違い、川底が小砂利や砂のせいか、魚が少ないようです。
それでもボチボチと釣れてきます。
サイズもいまひとつですが、ここしか釣りにならないようなので
しかたなし。
川を上がる直前、ジャブジャブ歩いて行くと足もとのエグレから
尺をはるかに越えた魚が飛び出していきました。
あんなのもいるんだ…。

午後になるとどこも水が落ち着いたようなので、
ブラウンをドライで釣ったり、別の川を偵察したり。
川は魚と会う機会が多いので、半日でお腹いっぱいになりますね。

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2009/08/02

川探検・1

ここのところすっかり釣欲が減退し、そろそろ年かのぅ、
と枯れた心を抱いたまま、本ばかり読んでいましたが
名ばかりでちっともそれらしくない夏を迎えると
少しずつ釣欲が戻ってきました。
といっても、なぜか釣りたいのは岩魚ばかり。

ヨメの実家の里帰りから三段跳びで道南小河川めぐりです。
地図で目星をつけておいた、無名の川を探索します。
大きいのを狙うどころか、外した時には魚の姿も見られませんが
地図から妄想をふくらませていた川に実際にお目にかかる瞬間は
いつもドキドキします。
実際会ったらガックリ、というのがほとんどですが。

今回の一番手は、開けた川。
周囲は農家に温泉にゴルフ場。
あんまり期待できません。
が、ここならベアーの恐怖を感じないでのんびりできそうです。
この日は、念のためにホーマックで熊鈴を買ってから出てきました。
ちょっと小さかったせいか、チリンチリンと寂しい音色です。
これで、ちゃんと気づいてくれるんでしょうか?

釣り始めて最初のポイントですぐに岩魚。
それからもあちこちから魚は出てきます。
お手軽な場所なのにさすが道南、と思いながらも
あまりに小さいのが多過ぎるので場所を移します。

二番目は、今入っていた川と並行して流れる支流。
地図ではかなり期待していたのですが、
実際に見ると川幅が狭過ぎます。
ハズしです。

このところほぼ毎日降る雨のおかげで、
どこの川も川幅いっぱいに水が流れています。
おかげで、去年岩魚を釣った川の減水域にも、たっぷり水が
流れています。
期待をして入りますが、あまり魚はいないようです。
ただ、大場所には、そこそこのサイズが入っていました。
昼から釣り始めたので、そろそろと暗くなってきました。

四番目の川は、下流は何もいなかった川の最上流。
林道を延々と走ってやっと出ました。
途中、ベアーの雲古なぞも見つけてちょっと引き気味。
夕暮れということもあり、橋の前後だけを大急ぎで探ります。
小さな魚が毛鉤に飛びついてきました。
正体を見てやろうとヤル気を出したまさにその時、
香ばしい香りが鼻をつきました。
ここに降りてくる時はしなかったのに。
風向きが変わったからなのか、それとも接近中なのか。
ヤル気は3分ほどで霧の如く消えてなくなりました。
薄暗がりをダッシュで車に戻り、ドアを閉めて周囲を見廻します。
またまた長い道程を運転して戻る。

まあ、そんなこんなが妙に楽しく感じます。
いい傾向だ。

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2009/08/01

市内の川

南や西のみなさんは、家からほんの10分で着く川で
のんびり鱒釣りを楽しんでます、なんて話してくれるので
ちょっと嫉妬を感じていたりしてました。

うらやましい、と思いつつ、これも便利な大都市に住む者の
定めと半ばあきらめるべきなのか。
が、実際の私は買い物にも飲みにもほとんど行かない人間ですから
都市生活の恩恵をほとんど受けていないのが現状です。
不公平だ…。

しかし、あきらめていては何も起こりません。
仕事が終わってから、市内の川に探索に出かけることにします。

場所は以前から目をつけていた川。
家から30分というところでしょうか。
ヒマそうにしていた、いとこも誘ってブラブラ出かけます。
噂によれば、極めて魚影は薄い川との話。
ただ、出かけた流域は、なんとなく魚の匂いがして
ずっと気になっていた場所です。

轟音を立ててトラックが通る道をわずかに外れると
目指す川がありました。
ここは、川原がやたらに広い割に流れる水はチョロチョロ。
フライはノビノビと振れて、今日初めてフライロッドを振る
いとこでもなんとかキャスティングができそうです。

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釣り初めてすぐに毛針に魚が飛び出してきました。
なんと、小さいけれども綺麗な岩魚です。
それからは、ちょっとした場所からもぱくりぱくりと魚が出ます。
大きくても20㎝そこそこですが、ここで釣れるならありがたい限りです。
ちなみに大場所の魚は、なかなかのスレ具合でフライを完璧に見切られました。

いとこは、バラシに悩まされながらも、この日一番、
25㎝ほどの岩魚を釣り上げて、感動してました。

いつもの釣りとまた違った楽しみ&子持ちでも楽しめちゃうお手軽な釣りは
クセになりそうです。

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