2013/09/19

仲秋

子どもを寝かしつけるついでに、月を愛でに行ってみます。
街の夜景の上に浮かんでいる図を期待していましたが、
どこをどう切り取っても、そううまくはいかないようでした。


中秋というと、『聊斎志異』の中にある
『郭秀才』の話を思い出します。

広東の郭という人が、友人を訪れた後、夕暮れの山中で道に迷う。
笑い声を聞き、そちらへ行ってみると、十数人の者が地べたに座り
酒を飲んでいた。
酒を勧めらるままに飲んでいた郭は、いい気分になり、
得意の鳥の物真似をして一同に誉めそやされる。
やがて、一人が
「青娘子が来ないのが残念だ。」と言うと、他の一人が
「仲秋の夜、またここに集まりましょう。」と郭を誘う。
やがて帰ろうとする郭に
「それでは、肩乗りの手品をお見せしましょう。」と言った一同は、
肩の上に次の一人がよじ登り、見上げるばかりに高くなると
突然、そのまま地上に倒れる。
すると、その人梯子は、一すじの長い道となり、それを歩いて郭は
家に帰ることができた。
翌日、郭は腹が痛み、尿が緑青のような色になったが、どうにか
もとのように治った。
仲秋になったので、郭は、また行ってみようとしたが、
友人たちに引きとめられてしまった。
青娘子に会えたなら、きっともっと不思議なことがあったろうに、と
それを惜しむというお話。


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