釣りキチだった子供の頃、夏休みに渚滑川まで
キャンプ旅行に連れて行ってもらうのが何よりの楽しみでした。
なにせ、近所の川ではウグイやドジョウやカジカがメインターゲットでしたが
そこまで行けば、ウグイなんて釣れません。
虹鱒やオショロコマばかり釣れるなんて夢のようです。
あまりに楽しみだったので、出発前日は深夜まで眠れず苦しんだものです。
初めてオショロコマを釣った時のことを鮮明に覚えています。
支流の落ち込みに14番くらいのライトケイヒルのパラシュートを落として
じっと見つめていると、水面の下でキラキラと魚が反転していくのが見えます。
どうしても喰わずにやきもきしていると、ついに毛鉤が沈んでしまいました。
ところが、その瞬間、魚が水面近くを反転していくのが目に入り、
反射的に合わせてみると、小さなオショロコマ。
初めて見る朱点にしばらく見入っていたはずです。
ルアーにフライに餌釣りと三刀流の小学生に、たいした魚は
釣れませんでしたが、そんなことよりそこで釣りができるということが
大切でした。
大学生の頃も、夏毎に釣り好きの友人と訪れていました。
そんな折、ついに渚滑川にC&R区間ができます。
これは、スゴイ事になった、と嬉しく思いながら、
聞こえてくる話だと、全国から大変な数の人が押し寄せているとか。
昔から好きだった近所の幼馴染の女の子が、
突如アイドルになっちゃったみたいな(そんな経験ないけどね)
そんな寂しさもあって、すっかり足が遠のいてこれまでに至ります。
去年、なんとなく思い立ってまた渚滑川に行こうと準備までしていたんですが
雨による増水で文字通りお流れに。
今年はどうしようかな、と思っていたところ、職場の釣り仲間から
お誘いがありました。
聞けば、毎年、渚滑川に釣りキャンプに行っているとのこと。
願ったり、叶ったりとはこのことです。
このところは週末の雨で、しばらく釣りができないほど川は濁っていた様子。
心配しましたが、ギリギリ濁りはとれてきたようです。
朝、暗いうちに川辺に立つと、笹濁り程度。ドライでもいけるかも。
嬉しい事に、久しぶりの渚滑川は、記憶の中の渚滑川そのものでした。
濁りがとれたとはいえ、水は轟々流れ、遡行するのもひと苦労。
おまけに水温が低いせいか、ドライへの出はパッとせず、ちびにじが少し。
しかたなしにウェットに変えてみます。
いい感じの淵で、ほぼ真下に投げ、沈み込む波にラインをまかせて
スリットに毛鉤が吸い込まれていくと、グッとラインが押さえこまれました。
ちょっと手こずったので期待した通り、太くていいルックスの虹鱒。
陽が昇り、川面に差し込んでくると
ドライにも反応するようになってきました。
ただ、一度出た魚は二度出ることなく、スレているのか
活性が低いのか。
夕方もライズは一切なく、なんとなくパターンを見つけられないまま
一日が終わります。
二日目も朝は、反応薄く、前日で満足していた私は
後の二人の釣りを眺めながら川歩き。
道路に囲まれている川原にも、しっかり足跡があるので要注意。
この時期は、逆に民家近くの方が危ないという話です。
そのうち、同行した2人もそれぞれいい型の魚を手にしたとの
電話が入りました。
ちょうどいいタイミングで川を上がり、帰路につきます。
帰りの車中、釣り仲間が釣った魚の話で盛り上がってるのを聞きながらウトウトしていると、
なんということはなしに、良かった良かったと思えてきて、
これからあと何回くらい、訪れることができるのかな、
と考えていました。
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