疲れていたせいか、「釣りに行くぞ」という強い意志が湧きません。
AM 2:00に起きたらヒラメ狙い、4:00 なら川に行って鱒狙い、と
二段構えの目覚ましアラームをiPhoneに仕込んであったのですが、
どちらもスルーし、結局目が覚めたのは6:00近く。
ヨメにどこか行くか、と声をかけて、家族小旅行に変更しました。
家族サービスに来たのですが、チャンスがあれば
先々週の魚に、この間とはちょっと違うところを
見せつけてやろう、と太軸の針に全く同じ毛鉤を巻いてきました。
まあ、この間の魚がまだいるとは思えなかったのですが、帰りがけ、ちょっと時間をもらって
川に入ってみます。
件のポイントに慎重に近づきますが、何にも魚の気配はありません。
予想はしてましたが、内心ガッカリし、ぼんやり川の中に立ちつくしていると、
なんと私のすぐ脇を、黒い背の魚が上に泳いで行きます。
まさか、と思いながらも一応、毛鉤を目の前にいる魚の頭上に落とすと
全くためらうことなく、フッと吸い込みました。
40cmくらいの雨鱒に、「こんなことってあるんだ」とちょっと驚きました。
キツイ流れの中ならわかりますが、鏡のようなプールで、立ちこんでいる
足元を通る魚が釣れたのは生まれて初めてです。
この間の魚かな、と思いましたが、この雨鱒に針を伸ばす力があるはずもなく
肝心のそいつは留守のようでした。
家族を待たせているので、その先の瀬で釣りは終わりにします。
魚いないかな、としばし眺めていましたが、そんな様子は無さそうです。
投げずにこのまま上がろうか、とぼんやり川岸の石に座っていると、
大鱒が、上流からゆらゆらと下ってこちらにやってきます。
驚く私のすぐ脇で反転し、こちらを見ているような、見ていないような。
ちょっと手を伸ばせば魚にさわれそうです。
息を殺して動かずにいる私の目の前で、上流にゆっくり移動しながら
掃除機のように水面の餌をガフガフと吸い込み始めました。
できるだけ体を動かさないように、竿先からリーダーを引っ張り出し、
リーダーキャストで先端だけカーブさせて着水。
うまいこと落とせたので、間違いなく毛鉤を吸い込んでくれることを確信しました。
ティペットは、信頼しているフロロの4X、しかもタメの利くグラスロッドです。
絶対切れない自信があります。
かなり強気に攻めて、ラインはほとんど出されずにランディングできました。
この間、フックを伸ばした鱒なのか? そう思うことにしておきます。
今回は、釣りに来たわけではなく、結果として釣れてくれた魚なわけで
無欲で川にたたずんでいたら、2匹の魚がわざわざ私の所にやってきてくれた、
そんな嘘みたいな本当のありがたい話なのでした。
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