2006/01/22

ゲド戦記についての懸案諸々

一時期「ファンタジー」と呼ばれるジャンルのものに
ずいぶんハマった時期がありました。
といっても今のようにハリポタ騒ぎの以前ですから
二十年近く昔の話。
色々読んでみましたが、読み返す価値があったのは
ほんの数冊。
あとは「パルプフィクション」でした。
まあ、これはどんなジャンルでも同じでしょう。

そんな中でも一般に名を知られていて
私が今でも読み返しているのが
アーシュラ・K.ル・グウィンの「ゲド戦記」三部作
ged.jpgged2.jpgged3.jpg
この後も話は続いていますが、三作目と四作目の間が二十年近く空いて
テーマも変わってますから別物ということで。

物語は若くて傲慢な魔法使いゲドの成長物語「影との戦い」に始まり

死と再生を象徴的に描いた「こわれた腕輪」

死という観点から生というものをを問う物語「さいはての島へ」

と一貫して作者の宇宙観(此岸、彼岸を含めた)を
作品に託したものになっています。
かなり色濃くユングの思想や民俗学の影響を受けているので
なんとなく「作者の思想・言葉を代弁する作品」になってる気が
しないでもないのがちょっとひっかかるところ。

それでも、魅力的なイメージは至る所に見られますし
作品としてもしっかりとした骨のあるものですから
傑作といっていいと思います。

ところで私の友人(宮崎駿好き)の話では、嘘か本当か、
この作品の映画化を宮崎駿氏が申し込んで、作者に断られたとか。
それでも彼の「ナウシカ」の漫画版では、この作品からのイメージが
ずいぶんと引用されているように思います。
実際、この作品は大好きだと言っていた憶えもありますし。

しかし、なぜか今になって次回のスタジオジプリ作品が
ゲド戦記 http://www.ghibli.jp/
になったと発表されてました。
しかも監督は、駿氏の息子だそうです。息子って誰?
一茂はまだいいとしてカツノリではないことを切に願います。

扉の絵を見ましたが何か違う気がします。
「さいはての島へ」の映画化だそうなんで、
この竜は“オーム・エンバー”だと思いますが
何かイメージと違うものが。

果たしてどのようなものになるのか
実は結構好きな作品だけに気になっています。

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