本当は、川へ雨鱒を釣りに行くつもりが、上がったり下がったりする水位が
気になって、出発のタイミングがつかめないまま、朝も遅い時間になってしまいました。
ますます腰が重くなる中、遠出はあきらめて、まだ行ったことのない海岸を
目指して出発することにします。
雨鱒がいると言う話だけは聞いたことがありますから、ちょっとした探検気分です。
案外とすんなり着きました。これで釣れれば文句無しですが、今日のところは欲張らず
魚がいることを確かめられればいいや、と割り切って海岸を歩き始めます。
車が見えなくなるくらい歩きながら毛鉤を海に投じてきましたが、ここまでのところ
何も起こりません。
そのうち、波打ち際を走り回る子供と、そのおじいちゃんおばあちゃんらしき3人組が
タモを持って砂をガサガサしているのに出会います。
案の定、イサダ採りです。
話を聞くとそんなに取れないと嘆いていましたがバケツの中にはイサダが、少々
泳いでいます。ほんのわずかベージュがかった半透明の甲殻類は、きっと雨鱒の
大好物でしょう。
そして、おじいちゃんから、
「これ、食えるのか?」
と聞かれました。
東北では佃煮にするといった話を聞いたことがあるような、ないような。
とりあえず、ホッケとニシンの撒き餌としては最高です、と言うと
「やっぱり撒き餌か…」と残念そう。
採ってからどうするつもりだったんでしょう?
実はこの日、サケ稚魚をちょっと意識した毛鉤を使ってきたのですが、これを
見て、イサダを思わせるパターンをフライボックスの中から探してみます。
見つけたのは、昨年か一昨年、漁港で雨鱒を釣るためにたくさん巻いたパターン。
漁港では一度、よく効いたので張り切ってたくさん巻いたのですが、その後は
漁港でも浜でも全くサッパリ何事も起こしてくれる事なく、フライボックスの中、
過去の遺物として残されていた毛鉤です。針先が錆びていますが、研ぐと何とか
使えそうでした。
場所を少し移動して、何投目か、そこそこの雨鱒が掛かりました。
こんないい魚がいたんだな、と感心しながら釣れたことにホッとして
同じように投げてみると、ほぼ入れ掛かりで大きな雨鱒が釣れてきます。
1番大きいので70弱くらい。雨鱒は、似たようなサイズで群れを作りますから
この日はいい群れに当たったのでしょう。
島牧でもこんな事はあまり記憶にありません。
錆びたジャンク毛鉤は、すぐに魚に折られてしまいましたが、実はこの毛鉤、過去に
大量生産されたまま放置されていたので、他に何本もあります。
どうにか釣りが終わるまでは間に合いました。
海でのフライフィッシングでは、どういうわけかシーズンや日によって、釣れる
毛鉤がガラッと変わるので、この毛鉤の出番がこの次いつになるのかは、全く
わかりません。とりあえずは、新しいのを補充して、またフライボックスに
寝かせておこうかと思います。
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