2013/12/31

暮れ



昔よく見た覚えがうすぼんやりとあるんだけれど、今見ると凄まじいユルさに
ちょっと引きます。こんな時代が日本にもあったんだってことをみんな忘れてるな。

相も変わらずサクサクと終っていく1年。
何をどうしたところでそれは止められるわけでもなく、
はじめに時間を砂に喩えた人は見事な感覚だなあと感心しきりな最近。
何もしていなくてもサラサラと指からこぼれ、今だ!と握ろうにも指から逃れ、
そんなもどかしさを何とかしようと人類がもがいて編み出したのが文字と写真なのでは
ないかと結論付けるようになりました。
子どもを見ていると、「あっ」とか「おおっ」とか思う瞬間がチョイチョイあるのですが、
都合良くその場を切り取ることができるのは100に1つくらいで、
貴重なあとの99は、どこか私のあずかり知らぬ処へと流されていくだけです。

そんなことを考えていると、(ゲーテの)ファウストの
「時よ止まれ お前は美しい」
という有名な絶命の言葉のことを思い出しました。
まだモヤモヤ全開の若者だったころ、何度かファウストを読みましたが
この言葉の意味、というか実感がどうにも飲み込めず、「何がいいんだべ?」
と、そのたびに思ったものですが、今となっては疑うことができないくらい
実感を伴ってその言葉がナイフのようにちくちくと突きつけられる毎日。

たまに自身のブログを読み返して、毎年の釣り歳時記をたどってみるのですが
あと何回同じルーティンを楽しむことができるのかな、とちょっと数えてみたら
急に怖くなってやめました。


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