アーヴィング、最近あんまり話題に上りません。
話題になってる人は避けて、
話題から外れかけた人に親しみを覚えるというのが
私の子どもの頃からの悪い癖です。
これはほんとにいい本です。
何度も読み返しましたが、それだけは変わりません。
彼独特の語り口は、昔話や神話に通じるものがあります。
彼が語ると、どうしようもなく生臭い話も
半透明なものに昇華されてしまいます。
ただ、グロテスクな表現は好みが分かれる所。
アメリカ本国で嫌いな人が多いというのもわかる話です。
神話や伝説、昔話といった類の話は、
なぜかグロテスクな表現と相性がいいものです。
意識しているのかしていないのかわかりませんが、
彼はそこの所のバランス感覚がとてもいいのでしょう。
それに前作の『ガープ…』ほど露骨にグロではありません。
映画にもなっていて、こちらもいい出来です。
ただ、豪華なキャストについてひと言。
フラニーのジョディ・フォスターは、品があってハマリ役でしたが
「熊」のスージーがナスターシャ・キンスキーというのは、どうなんでしょう?
見てる分には確かに楽しい。キレイだから。いや楽しい。
でも、スージーはキレイじゃない方がいいなあ。やっぱり。
村上春樹氏も、この作品をアーヴィングの一番に挙げていたような
覚えがあります。
実は村上春樹さんの本は一冊も読んだことがありません。
でも、多分、読んだらかなり気に入るはずです。勘だけど。
みんなが話題にしなくなったあたりで読んでみよう、と思ったり。
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