今日は、午後から友人宅を訪ねる予定なので、
おとなしくしてようかと思いました。
ところがなぜか夜中に目が覚める。
眠れないので、白々としてきたところで毛鉤を2、3、巻いて近所へ。
今から行けば、余裕で午前中に帰って来られるはずです。
家から10分ほど走ったところで、リールを忘れたことに気付きます。
近場なので、大きなタイムロス。
遠出だったら、早めに気がついて安堵するところですが
妙に時間がもったいない。
今回行ってみたのは、この街の「母なる川」です。
子供の頃、放課後チャリに竿を結わえて毎日のように釣りをしていたのは
この川の下流。
上流は、昔からずっと気になっていましたが、なかなかきっかけがなく、
この日までずっと放置されたままでした。
先日の近隣河川岩魚釣りが思いのほか楽しめたおかげで、ここも案外楽しめるんじゃあ、と
プラス志向に転換した私がホクホクと出向いて行くという構図。
着いてみると、思っていたより水量が少なく、難しそうな雰囲気。
谷は、うっすら靄が立ち込めて、森閑としています。
すぐに小さな岩魚が釣れ、そこそこの型をバラしてからは全く反応が
無くなりました。
「これは、都市近郊河川の宿命として、スレ切っているに違いない。」
と冷静に分析した私は、6Xのティペットに、16番のアントに付け替えて
挑みます。
極太ティペットと巨大な毛鉤に慣れた目で見ると
髪の毛の先のゴミの如し。
そして、ポイントは、しょっぱい小場所狙い。
いきなり出ました。
尺はありませんが、いい岩魚です。
自分の読みが正しかったことを噛み締め、
今日の釣りはもう満足だとまで思ったのですが
なぜかそれから後が続きませんでした。
帰途、遊びで巨大なホッパーに付け替え、短くて太いティペットで
下りながらポイントを叩いてみると、これがなんと、ポコポコ出るではありませんか。
ティペットの太さも、小さな毛鉤も、実は何にも関係なかったようです。
自分に酔ってるうちに帰れば良かった。
デカフライ逆引き反応は、きっと蝦夷岩魚のDNAに組み込まれて
いるんでしょう。
倒木の陰に大きなフライを落とすと25㎝くらいの魚が出ました。
グネグネと暴れる独特のファイトと、ずん胴の身体つき。
もしや、と思って寄せてくると、やはりオショロコマでした。
この川の最上流には生息していることを聞いてましたが、
このあたりにもいるとは思いもよりませんでした。
こちらの河川で釣れるオショロコマは、道東の魚に比べると朱点が薄く
はんなりとした色合いに感じられます。
この時間になると、すっかり日も昇り、暑くなりそうです。
今まで雌伏を決め込んでいた蝉たちは、一斉に蜂起し
朝の静けさはどこかに行ってしまいました。
それからも、大きな毛鉤に元気な岩魚が飛び出し、
午前中だけで十分お腹いっぱい。
魚は、先日の川ほど多くはないようですが、真面目にやれば
そこそこの型も狙えそうです。
残念だったのは、ゴミ。
大きな淵の岩の上には、吸殻やビニール袋が。
どこかのオヤジがここで粘ったのでしょう。
目につくゴミは拾い集めてきましたが、
平気でここにゴミを捨てるバカなら釣れた魚を
間違いなく持って帰るはずです。
そんなオヤジの絶滅を願いつつ暑い街に戻ります。
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