海も川も湖も、釣りをするには一番いい季節。
しかし、身体はひとつ。当たり前。
並んで順番を待っているうちに、いい季節は終わってしまいます。
2週に渡り、不夜港に通い、それなりに満足していたので
またこの日も、と考えたくなるのが当然なんですが
ひとつ気になっていることがあります。
それは、今年まだヒラメを釣っていないということ。
どうしても釣りたいか、といわれると実はそんなこともありません。
この魚を狙うとなると、求道者の如く他の魚は捨てて
貴重な1日を生贄として差し出す必要があるのです。
とはいえ、そうしたからといって釣れる魚かといえば、
そうともいえず。
ただ、今年は好調だとか聞こえてきたり、
キリンソウさんが釣果を伸ばしているのを見せられたりすると
釣らなきゃダメなような、そんな気持ちになってきます。
そこで、自分に課す。今回は最初から最後まで
ヒラメだけを狙うことを。
しかし、前日、kobaさんから電話が。
どうやら、不夜港に出向くようです。
心がちょっと傾きましたが、自らに誓ったはず。
初心を貫きます。
夜明け頃、海岸に着くと、何やら海藻が岸辺にぶわぶわと浮いて
イヤな感じ。潮もパッとしません。
少し狙ってあきらめ、足元を回遊するアメマスを狙います。
この時点で敗色濃厚。
アメマスをかけ、「いい型だ!」と喜んだらバレました。
まずは1敗。
それから場所を移しますがどうもイケナイ。
サクラが跳ねたので、最初の誓いもどこへやら、狙い打つと
かかりました。あまり大きくないけれど、ボンズ回避か、と
ホッとしてると海藻に巻かれてバレました。
1敗。
このあたりで朝からグッタリ疲れます。
昼寝をしようとするとkobaさんから電話です。
電話口で声が弾んでます。
どうやらいい釣りをしている様子。
「そっちに行こうかな…」とアクマの誘いに弱気になりますが、
カミサマが出てきました。誓いを守れと言ってます(多分)
とりあえず昼寝をして夕マズメに賭けます。
最初の誓いに「新規開拓」もあったことを思い出し、
まだヒラメを釣ったことのない岩に乗ってみます。
潮はいい感じで動いてます。
ワームをとっかえひっかえしましたが、反応なし。
「ここにはヒラメいない。」と独り言を言ったその時、何かがかかりました。
コレは…とドキドキしてると平べったい魚の影が。
慎重に抜き上げると、40㎝。小柄ですが、やりました。
今季の初物。しかも新規開拓成功です。
最後に鮮やかな逆転勝ちです。
ちょっとだけ満足感にひたり、リリースすると、なんと腹を上にして
プカプカしてます。
なんと弱いヒラメだ!とあきれてキープすることにしました。
それからはアブラコなんかも出て、すっかり気楽になり、
薄暗くなってきたので車に戻る。
さて、と先ほどのヒラメを取り出すと、何かおかしい。
まず匂いがおかしい。
そして、口がおかしい。目もおかしい。
よく見ると、そりゃぁヒラメじゃなくてソウハチじゃあ。
40㎝というサイズと、パルスワームをガップリ飲み込んでいた
その姿に全く疑うことをしませんでしたが、
冷静になってから眺めると、どこからどう見てもソウハチ君。
なんで気づかなかったのか?
まさかの逆転負けで3敗目。
一度は勝利を確信しただけに落胆の度合いはとてつもなく大きく
気力の残存量が底をつきました。
暗くなっていく海をみながら、惰性でキャストをします。
場所を移して1投目、ゴミでもかかったように重くなりました。
アワセを入れずに引いてくるとはずれる。
何か気になったので、そのままフォールさせると着底と同時に喰って
きました。
真っ暗になる直前。
サイズは44㎝と小ぶりでしたが、再逆転でどうにかして
この日、自らに課したノルマを達成したのでした。
高揚感はまるで無く、ただただホッとしたというのが本音。
なんとなく不完全燃焼感に苛まれたので、夜明けまで釣って
帰る事にする。
1時半に目覚め、リーダーを交換する。
PEラインの編み込みが、薄暗いせいでどうもうまくいかない。
4回くらいやり直し、やっと納得のノットが出来るまでに
30分近くかかった。
2時、真っ暗な中を釣りに向かう。
ワームのカラーを変えたりリトリーブのしかたをかえたり、
いろいろやってみたが何事もなく平和な海。
ハズしたか、と空しくなる。
サクラでもイタズラ、と探しに行ってみると、
目の前で、これでもか、というばかりにハネている。
ジグミノーを通すも無視。
それじゃあ、となんとなく魚道HSを通してやるとかかった。
でも足元でバレた。
また投げる。くる。バレる。
今度は足元まで寄せたので写真をとろうとゴソゴソと
カメラを取り出しているうちに去っていった。
何か違うな、と思う。これといって熱くなるものがない。
フライで釣ろう、と思って道具を取りに戻るが、途中で考え直す。
やっぱりあと1時間だけヒラメを狙おう、と決意する。
さっきのサクラで、もしかすると魚道HSの日かも、と感じていた。
1投目。
途中でボロぞうきんか、土のう袋が引っかかる。
と、ボロぞうきんが命を吹き込まれて走り出した。
まあ納得のサイズで素直に嬉しい。
コレだ、という感じ。
海を見ると、次々と潮目が移動してくる。
まだ何か起こりそう。
それから10分後、良さ気な潮目に沿ってキャスト。
潮目の裏を通してきたルアーのイメージが頭に浮かぶ。
水底から1mくらいを水平に引いて、このあたりで…というところで
ブルッときた。
寄せてくると、ラインがたるむくらい小さい。
小ソゲかしら?とどんどん回収。
ところが足元で止まってしまった。
根に潜ったな、と2500のスプールを押さえ、強引に引き抜く。
と、突然小ソゲは私の親指をフッ飛ばし、猛烈にスプールを逆転させて
走り出した。
竿は完全にノサれ、ヤラレタ、と一瞬思ったが、
残ってくれた。
ノットに30分かけておいて良かった。
一応、ヒラメの自己記録でした。
今年は好調との話通り、サイズもそれなりのものが
出てくれました。
それでもヒラメ狙いはツライ。
今後も狙う気持ちになるかは何ともいえません。
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