先週の火曜日、夢を見た。
岩の切れ目、青緑の海が深く落ち込んでいる。
どこかで見たことのあるような、ないような。
そこに根魚フライを送り込んでいくと確かな魚信。
凄まじい力でラインを引き込み、竿先は水中に刺さりこむ。
もうダメか、と思いつつも耐えていると、どうにか魚が浮いてきた。
目が覚めてからも、その馬鹿力と
ゴリゴリ岩をこするリーダーの嫌な感触が
現実みたいに手のひらに残っていた。
今週もあと1回、日本海でアメマスを釣るつもりだったのだけれど
その夢のあの感覚がどうにも忘れられないので、まだ早いとは
思いつつも太平洋に足を向けた。
もしかするとヒラメ、
アメマスの具合も調べなきゃあと。
朝からしばらくヒラメを狙ってみたが、どうにも潮が弱いらしい。
目の前のボートは、朝から1時間もエンジンが掛からずに
漂っているというのに、ちっとも流されていかない。
それにしても、一体、何度スターターを引いたのか?
もういい加減にあきらめたらどうなの、と思った途端、
それまでむっつりと黙り込んでいたエンジンがかかったらしく
嬉しそうに沖へと出て行った。
岸辺にはサケ稚魚が群れを成している。
シママキなら酒池肉林の宴が繰り広げられること間違いないような
状況だが、ここのサケ稚魚たちは平和な世界をかき乱されることなく
のんびり泳ぐばかり。
アメマスも期待できそうにない。
そこで、アブラコ狙いに切り替える。
カニ将軍をつけて、必ずいい型がついている岩の切れ目に
沈める。
フライが沈んでいくのを待っているうちに、またあの夢のことを
思い出した。
そういえば、ここにそっくりだったなぁと。
沈めたフライをリトリーブする。
1、2、3ストローク目でノシンと重みが伝わる。
夢をそのままなぞるようなファイト。
岩に潜り込まれそうになるたびに必死で引き剥がし、
無理を承知で水に刺さった竿先を持ち上げる。
どうにか浮かせると50㎝にわずかに足りないサイズ。
それでも、秋に比べると驚くほど太っている。
最近、アドレナリンを出してくれる魚といえば、コイツくらいな
もんかなあ。
時間の猶予をくれないのがいい意味で刺激になってる。
それからは、潮がパッタリ止まってしまい、さらに冷たい霧も出てきて
すっかりヤル気が失せる。
またコイツと遊んでみましたが、うーん。やっぱり楽しいかも。
今日はシビアでフライを10回ほど交換させられました。
0 件のコメント:
コメントを投稿